「ちょっ、あ、藍くん!」 声を張りあげると、ようやく藍くんが目を開けた。 とろんとした目にわたしが映る。 「由瑠……?」 「お、おはよう……!」 離してもらおうと腕に力を込めるけど、それは呆気なく藍くんに抱きすくめられて無効化する。 わたしの下で、藍くんがいたずらに笑う。 「寝込みでも襲いにきた?」 「なっ……」 「由瑠ってそんな積極的だったんだ」 「ち、違う!」 こんな綺麗な顔を浴びて、ムカつくけど普通でいられる女子がいられるはずない。