え……藍くんが倒れた……? 「藍になにかあったらどうしよう……」 泣いている女子の声が聞こえて、背筋に氷水を流し込まれたように体中から血の気が引いていく。 足元が崩れていくような感覚に陥る。 視界がぐにゃりと歪む。 うそ……、やだ、やだ。 藍くんになにかあったらなんて、そんなの……っ。 考えるより先に足が動いていた。 踵を返した足は、真っ直ぐ保健室に向かっていた。