【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない


そうして逸る足で、校舎の1階に辿り着いた時。

昼休みということで生徒が行き交っているのは当然だけど、あたりが妙にざわざわと騒がしいことに気がついた。


大勢の女子たちが、神妙そうな顔つきで保健室の方を見つめている。


なにかあったのかな……。


なんとなく気になりながらも、女子たちの間を通り過ぎようとした時。


「藍、大丈夫かな……」

「まさか急に倒れちゃうなんて……」


耳が拾ったその言葉に、わたしは思わず足を止めていた。