おいしそうにお弁当を頬張る神崎くんを見ていると、なんだか胸がいっぱいになる。 こんなにおいしく食べてもらえて、お弁当もきっと喜んでいるはず。 推しがご飯を食べている姿、尊いなぁ……。 じん……とその光景を噛みしめていた、その時だった。 ――ぐぅぅぅ。 わたしたちの間の空気に割り入るように、豪快な音が鳴り響いた。 それはもちろん、わたしのお腹から。 一瞬固まり、直後全身から血の気が引いていくのを感じた。 うそだ、うそでしょ……。 わたし、もしかして神崎くんの前でお腹を鳴らした……?