「リリ」

「キャア!?」

トイレのすぐ横は階段で、そこから急に出てきた水瀬先生に腕を引かれてちょっとした悲鳴をあげてしまった。

「静かにしろよ」

「そっちが驚かせてきたんでしょ!?」

「急にお前と遭遇したから我慢できなかったんだよ」

「なんなんですか、今までシラーっとしてたくせに急に!」

「言っただろ。もう自制できないって」

「してください。大人なんだから」

「なぁ、頼みがあんだけど」

「頼みって?まさか、また…」

くそダサメガネと鉄壁の前髪が邪魔をして相変わらず表情はよく分からない。

水瀬先生がポケットから取り出した錠剤みたいな物を、指でつまんで私のくちに押し込んできた…。

「んっ!?なにして…!」

指で口内をぐりぐりってされて、唾液が溢れてきちゃう。
そのまま求めるみたいに先生の指に舌を絡めてしまった。

「そんな目して挑発すんなって。犯したくなる」

「せんせ…なにこれぇ…」

足がガクガクして力が抜けそうだった。
顔が熱くて、喉が渇く。

「媚薬」

「び…やく…ってあの…」

「処女だったのにそれは知ってんだ?えろい女」

「ァ…はぁ…なんで…」

「即効性すご。これにして正解だったな」

「なに言って…」

「そのまま授業出て?いいよね?」

「ムリだよ!こんなことバレたら!」

「リリはもう俺のだもん。いいでしょ?」

「先生のモノになんてなってないから!」

「ヤダ。俺のじゃなきゃムリだから」

水瀬先生、容姿で苦労したって言ってたけど、
先生だって十分ヤバい男だよ!
突然の執着心…愛が重すぎる!