[執事ドッジ大会 お嬢様の告白]


「天堂さん、待ってください」


「……」


あれから数日後、私は生徒会長室の前で天堂さんを待っていた。


彼がようやく出てきた時、急いで走り寄ったけどうんざりしたような視線とぶつかる。


「あの、お願いです。話を聞いてください」


「また?」


彼はため息を漏らすけど、めげずにお願いした。


「婚約破棄のこと、認めてください」


「それは君個人の考えだろ?
お父上は知ってるの?」


「いえ、父からは連絡がまだありません。だけど、私は……」


「この前も言ったけど、ちゃんとよく考えた方がいいよ」


3日前に彼に初めて婚約破棄を申し出たんだけど、全然相手にしてもらえなくてもうこれで3回目。


「婚約はうちの父が決めたことだ。
君は一度は承諾した。
今更、断ったら困るのは君の家の方だよ」