婚約者の浮気相手は母でした。

 エルシーだけ、こういう態度を示すということが、私はとても気になった。
 他のメイドの証言的にも、彼女とリビルト様の間には何かがありそうだ。
 故に私は、彼女を揺さぶることにした。エルシーが仮にリビルト様と関係があったとしたら、言われたくないであろうことを言っていくとしよう。

「リビルト様は、現在失踪しています。その件について、どこまで把握していますか?」
「……詳しく知っている訳ではありません」
「それでは私から詳細をお話ししましょう。彼は私の母親、ローライト侯爵夫人と駆け落ちしました。そのことについて、どうお考えですか?」
「……」

 私の言葉に、エルシーは顔を強張らせた。
 その表情からは、怒りのような感情が伺える。彼と何もないのに、こんな反応をするのだろうか。話せば話す程、怪しく思えてくる。