婚約者の浮気相手は母でした。

「非常に残念ながら、二人は駆け落ちしたようです。二人はどこかに隠れていると私は考えています。そんな二人を探し出すために、リビルト様のことが知りたいのです」
「リビルトのことですか……なるほど、心当たりなどがあるかということですな?」
「ええ、お母様が行きそうな場所は既にあたりましたから」
「なるほど、そういうことですか……」

 私の言葉に、エルヴィー侯爵は目を瞑った。
 それは恐らく、考えてくれているのだろう。リビルト様の行きそうな場所を。

「あれが行きそうな場所には、いくつか心当たりがあります。ですが恐らく、そこに行っても無駄でしょうな」
「無駄?」
「リビルト、それにローライト侯爵夫人も、我々が探すことは織り込み済みであるはずです。故に私が思い付く二人が行きそうな場所に、せがれは行かないでしょう」
「……なるほど、確かにそれはそうですね」