婚約者の浮気相手は母でした。

 私は、イルルドとともにお母様の部屋に来ていた。
 その部屋は、見慣れた部屋である。娘として、ここには何度も来ていたからだ。

「さて、それでは早速物色するとしましょうか」
「少し気が引けるけれど、仕方ないことだね。それじゃあ、僕はこっちを探すよ」
「ええ、お願い」

 私とイルルドは、二手に分かれて捜索を始めた。右半分が、私の担当だ。
 こちらには衣服などのタンスがある。故にイルルドは、こちらを私に任せたのだろう。
 とりあえず私は、手当たり次第にタンスを開けていく。しかし、そこに入っているのは衣服だけである。特に手がかりになるようなものはなさそうだ。

「いえ……よく見てみると、この衣服は奇妙ね」

 しかし私は、そこでとある事実に気付いた。
 タンスの中に入っている衣服は、私が見たことがないものもある。それらの衣服はなんというか、いつものお母様らしくないものなのだ。