俺は三流都市伝説雑誌のライターをしている。
 工藤勇作(くどうゆうさく)。30代で未婚。
 黒髪、ショートヘア。背は170。中肉中背。痩せて線は細いが、仕事でいろんなところへ行くため、筋肉質だ。
 仕事はほとんどなく、ワンルームマンション暮らしだ。いつもよれよれのスーツ姿だ。近くに公園がある。よく休みにいく。
 近所の評判は悪い。三流都市伝説ライターなぞ、ヤンキー、やくざ、不良だ。ろくでもない。まっとうじゃない。
 くだらねえ文章ばっかりかいている、かっこばっかのやつだ。かっこだけともよく言われる。かっこだけで書いているとよく言われる。都市伝説の記事なんてそんなもんだ。かっこだけで書く。

 俺は自分でいうのもなんだが、そこそこかっこいいと思っている。自称美男子。でも見た目じゃないよなあ。顔だけで書いている、なんていわれたりする。みためじゃない、と言われる。顔だけであんなん書いていると言われる。
 かっこいいやつはかっこばっかで書くのさ。
 かっこばっかのやつはかっこばっかで書く。
 かっこいいやつはかっこつけて書く。
 ほんとに書く人とはいえねえ。ほんとに書くやつってのは、真実を真実に書くやつのことだろう。俺は違う。

 俺はUMAを追っかけたりする一方、街の不良少年たちと喧嘩したり、刑事につきまとわれたりする日々を送っていた。