友達以上恋人未満の片想い

「こっち」



電車から降りて実里の手をさりげなく繋いで歩き出す。



「え、あれって…」



しばらく歩いて見えてきたのは、昔実里が乗りたがっていた大きな観覧車。



「小さい頃に遼の家族と出掛けた時に、乗りたかったけど電車の時間とかあって乗れなかったやつ?」


「そうだ」


「彼氏ができたら絶対行くんだって…遼に言ったことあるやつだ」



そうだ。実里の行きたいところは全部連れて行ってあげていたけど、ここだけはずっと来れなかった。


実里の“彼氏”になるその日まで、来ないと決めていたから。



「今なら、実里と乗れるだろ?」


「うん…うん!乗ろ!」



目を輝かせて駆け出した実里の後を、笑いながら追いかける。



平日の放課後だからかあまり混んでいなく、十分程度待って俺たちの番が来た。



「いってらっしゃーい」


「いってきまーす!」