「あれ?小春達がいなくなった」


「…え?」



ふと後ろを向いた実里につられて振り返ると、たしかに五十嵐達がいつの間にか消えていた。


すると、ポケットに入れていたスマホが震えてメッセージが届いたことを知らせてきた。



まさかと思って確認すると、やっぱり五十嵐からだった。



「あーなんか星野が行きたいところあったらしい。しばらく別行動で、だって」


「え、そうなの?ふーんまあいいや。おなか空いたからなんか食べに行こ!」



歩き出した実里の後をついていく。


今日五十嵐の誘いに乗ったのは、付き合ってから意識をしてしまって実里とデートらしいことをしていなかったし、星野とかがいたら実里も遊ぶ気になってくれるだろうと思ったからだ。


それなのにいきなり二人きりにされると、また実里を意識してしまう。



「…ん?」



前を歩く実里がなんだか変なことに気づく。


右足を引きずっているみたいな…。



「…実里。ちょっとそこのベンチ座って待ってろ」


「え?」



きょとんとする実里を置いて、急いで一階にあるドラッグストアに行く。