友達以上恋人未満の片想い

「遼も五十嵐も、私たちの見たいので本当によかったの?ちゃんと楽しめた?」


「うん、俺割と恋愛映画とかよく見るから楽しかったよ」


「…まあ、たまにはこういうのも」


「ふふ、強がっちゃって。遼は恋愛ものとかあまり好きじゃないくせに」



岩崎さんが芦屋の隣に並んで話し始めたから、さりげなく星野さんの隣に移動する。


星野さんは少し離れたところにある本屋の新刊コーナーをじーっと眺めていて、隣に来た俺に気づいていない。



「星野さん?」


「へ?あ、いつの間に五十嵐くん…」


「本屋、寄りたいの?」


「え、あ、うーん…実は、集めてる小説の新刊が今日出る日なんだ。だけど後でいいよ、帰りに本屋さん寄れるから。それより今はお昼ご飯どうする、だっけ?」



にこっと微笑んだ星野さんの腕を掴んで、しっと人差し指を唇に当てる。



「抜けちゃおっか」


「…え?」


「行こ」



戸惑っている星野さんを引っ張って本屋に行く。



「五十嵐くん、私の用事は本当に後でいいから…」