その夜、二人が家に戻った時には すでにいずみはいなかった。 玄関を開けるとみんな 囲炉裏のある部屋で待っていてくれた。 舞ちゃんは「入りにくい」と駄々をこねたが 「俺が謝ってあげるから」と説得して 玄関を開けた。 すると蓉子さんたちは、 何ごともなかったかのように、 「お帰り」と温かく迎えてくれた。 それから俺と舞ちゃんは それぞれ風呂に入り、 明日の結婚式に備えて 早めに寝た。 しかし俺も舞ちゃんもなかなか 寝付けなかった。