私たちは、二人だけで小さな結婚式を挙げた。

やはり、自分のせいで愛する人を巻き込んでしまったことは、ずっと気にしていたが、治療しながらでも、穏やかな日常をあなたと過ごせることに、心から幸せを感じている。

「ねぇ。私のあんな過去を知って、幻滅しなかったの…?」

さり気なく尋ねた時、

「実は、初めて会ったとき、ある程度のことは想定してたんだ。それよりむしろ、君が自ら命を絶つ可能性のほうが、ずっと心配だった」

きっと、あなたでなければ、こんな風に愛してくれなかっただろう。

こんなことになってしまったけれど…それでも、私はあなたと出逢えて、愛し合えて、本当よかった。

ただ、あなたが居てくれるだけでいい。

それは、これからも変わらないだろう。

あなたと過ごす日々は、一日、一秒さえ、愛おしくてたまらないから…。



Fin