「仲間」
そう言ったら後ろで涼たちが騒ぐ声がした。
……そんなに嬉しいのかよ?分かんないなー。
佐々木さんはそのあとドリンクを聞いてカウンターに戻っていった。そのあと席に移動。今日見るバンドは4組。
最初は「クロス」さん。3ピースバンドでMidnightだけでなく、路上ライブもしているアマチュアバンド。コラボはしたことないけれど、みんなレベルが高くて個々の良さが際立っているバンド。
「ここのベースの人、上手いからよく見てて。」
隣の怜斗に言う。ベースは曲の低音域を支える縁の下の力持ち。ベースがあるのとないのでは曲の安定感、締まり具合、重さが全然違う。ベースは基礎が仕上がればソロパートも担える。だから怜斗にはもう少し頑張ってもらわないと。
「すげぇ……」
怜斗は夢中になってステージを見ている。涼も恭也も同じ。恭也なんか途中で動画も撮り始めた。今日のバンドは随分と豪華だな。新規さんもいるし。
あっという間に時間が過ぎた。このくらいかな……
「そろそろ出よう。」
時間を見計らってみんなに声をかけた。だんだん繫華街も騒がしくなってくる時間だ。その前に出よう。そう出入口に向かった。
「ナツ。」
