添い寝だけのはずでしたが

さっき学園で迎えに来てくれたときも、温かさを感じた。


葵さまってなんだか不思議な魅力を持ってるよね……。


それは私が葵さまに雇われているからなのか、よく分からないんだけど。


「ああ、そういえば……合宿の日のことだけど」


「うん。今の調子なら、すぐに眠れると思うよ」


「寂しかったら俺の部屋に来ていいから」


 どういうこと!?


 寂しいわけないしっていうか、それ以前に私は合宿に行けないのに。


「課題の提出が間に合わなくて……行けないの……」


「ダメ」


いや、ダメとかじゃなくて。


「昨日提出だったのに出せてないの」


「それは問題ない」


「……え?」


驚いていると、葵さまはぴょこんとベッドの上に起き上がる。


「お前がいないと落ち着かない。だから一緒に来い」


「葵さまがそう言っても決まりだから……」


「お前は期日を守って昨日仕上げただろ、学園には俺から説明済だ」


「そう……なの?」


 いつの間に……。


「それにもしまた前みたいにうなされたら、誰が介抱してくれるんだよ。俺のこと見捨てるんだな……」


 なんだか悩まし気な表情でため息をつく。


「保健の先生にお願いするとか……」


「薄情な女だな。俺はお前がいいのに」


ジッと見つめられて、ドキッとしてしまう。