添い寝だけのはずでしたが

今さら見つかったって、合宿には行けない。


 そうだよ、良かったじゃない……葵さまがいない間、羽を伸ばせるよね。


 ずっとそう思っていたのに、こんな形で行けなくなるなんて思ってなかった……。


 もう、何なの?


 自分の気持ちがよく分からない……。


 その場でうずくまっていると、誰かに後ろから背中を叩かれた。


「帰るぞ……」


 振り返ると、葵さまが後ろに立っていた。


「どうして……先に帰ったんだよね?」


「言っただろ、お前がいないとゆっくりうたた寝もできない。お陰で寝不足だ、責任とれよ」


 そう言いながらも、顔は笑っている。


「何の冗談……」


「本気で言ってる。それにその手、どうした」


 葵さまの視線は、私の赤く腫れた指に注がれている。


「これは別に……」


 さっと後ろ手にすると、強引に手を取られてしまった。


 そして指に刺さった棘を見つけると、いとも簡単にそれを取り除いてくれた。