慌てて起き上がろうとするけど、足が痺れていることに今気が付いた。


う……っ、私は……なにをやってるの?


こんな最悪な状態なのに起き上がることができない。


うつ伏せでジタバタしていると、男性はベッドの上で座り直し、こちらを冷ややかに見つめている。


その佇まいはかなり落ち着いていて、私がここにいることを始めから知っていたかのよう。


「あ……あの、葵さまは……」


まさかとは思いつつ、でもそうあって欲しくはないと願いつつ、聞いてみた。


すると……呆れ顔で、ため息交じりに男性が呟く。


「俺だ」


ああっ……まさか、だよね。


私……これからどうすればいい!?


小さな男の子でも女の子でもなければ、まさかの同じ年頃の男の子。


添い寝係とか、ありえない!


目の前が、一気に絶望の色に染まった夜だった……。