添い寝だけのはずでしたが

合宿への参加は日々の課題の提出が必須みたい。


葵さまは余裕で爆睡していて授業態度はひどいものだけど、期日は守るしもちろん内容も先生が納得するほど十分な物を仕上げている。


プレゼンテーションもそつなくこなすし、その点は完璧。


葵さまが合宿に行くことはこれで確定。


不眠症だと知っていての配慮なのか、学校側が腫れ物には触れない体質なのか、巨額の寄付金をしている超VIPだからなのか、授業中に葵さまを注意する先生は誰ひとりとしていない。


未だずっと葵さまは夢の中……。


「ここからは、先生に代わって私が説明します」


 突然、澄んでいてとても綺麗な声がイヤホンから聞こえてきてハッとした。


画面に映っているのは、宇治山くん。


そういえば、放送部だったよね。


テスト対策に借りた物を返して以来、ほとんど喋ってない。


宇治山くん作成のテスト対策の中から似たような問題がいくつか出たんだよね。


毎晩必死に勉強をして、葵さまの分かりやすい解説のおかげで何とか期末考査を乗り切ったものの、あの時は間違いなく宇治山くんにも助けられた。


……そういえば、誉めてって言ってた。


あの時のお礼をしていないことが、微妙に気にはなっている。


それに、今まで気付かなかったけど……イヤホンを通して聞くと、クリアな発音と、流れるような口調がかなり耳に心地良い……。


宇治山くんの新たな一面を見た気がして思わず画面に見入ってしまう。


「そこ、そんなに重要?」


「えっ?」