添い寝だけのはずでしたが

「ありがとう。こんな私にも夢があるの。親の海外赴任が急に決まって……だけど着いて行くと進路に迷いが出るのも嫌で……それでここにいるの」


「言いたいこと、まとめてから話せよ」


 うっ……。


 言い方は冷たいけど、話すなとは言われてない?


「葵さまが私のことを嫌いでも、ぐっすり眠れるように努力するね。音楽でもかける? どんなジャンルの曲が好きなの?」


「何もしなくていい。ただその存在を消してくれ」


 嘘……。


 結構ひどいことを言われてる気がする。


 傷付いていると、葵さまが机を指差す。


「勉強するなら、そこのパソコン使っていいから」


宇治山くんにもらったデータが手元にあるものの、それを見る為のパソコンを持っていないことに今さら気付いた。


 こういうとこだよね……。


 放っておけばいいのに、そっと手を差し伸べてくれることがある。


 だから葵さまのことをもっと知りたいと思ってしまう……。