重い足取りで葵さまの後ろを歩き、なんとか部屋へと辿り着く。


葵さまは部屋へ入るとすぐ、ベッドにゴロンと寝転がった。


「あの、反省会は……」


「勝手にひとりで反省してろよ」


 そういうこと……。


 それでは勝手にさせていただきます。


 だけど報告はしろってことだよね?


 部屋の隅に正座をして葵さまをチラチラ見る。


寝たフリをしているのか本当に眠っているのかも分からないし、仰向けになったまま動かない。


 聞いているか分からないけど、とりえず今日の報告をすることにした。


「まず最初に、嘘をついてごめんなさい。以後気をつけます」


「…………」


「お昼休みに外で食べてたら同じクラスの人に会ったの。テストが不安だよねって話になって、その人がまとめたデータを放課後に貸してもらったの」


「コソコソするって、また中川か……お前も懲りないやつだな」


 一応、私の話を聞いているみたい。


「違う人だよ……」


「誰?」


「宇治山くん」


「……は?」


 それまでダルそうに横たわっていた葵さまが、勢い良く起き上がる。