添い寝だけのはずでしたが

「無理だよ……」


「もう決めたことだ。寧々の両親もそこにいるって聞いたし、ちょうどいいかと思ったんだ」


「そ……うなの?」


「ああ。だから、一緒に行こう」


 暖かい腕に包まれて、幸せを感じる。


 だけどそれと同時に、不安もやってきた。


「葵さまとは一緒にいたいの……だけど、それだとここに来た意味がなくなってしまう」


 ここへ来た理由は、親の海外赴任にはついて行けないから。


 将来の夢を叶えたいし、それを葵さまとの天秤にかけるわけにはいかない……。


「じゃあ……俺もやめるか」


「そういうわけにはいかないよね? 美沙さんに、メイドの解雇を言い渡されたの。それって私はもう用済みってことだよね……」


「それで機嫌が悪かったのか」


「え……」


 葵さまが、私の顔を見てにっこりと笑う。


「美沙は、父親に言われて仕方なくそう言っただけ。寧々のことはかなり気に入ってるから心配しなくていい。俺らの恋愛事情は知らないからな……まあ、形式的に言っただけだろ」


「どういうこと?」


「話せば長くなる……」


「え?」