このみちゃんと千咲ちゃんには、鍵を閉めて帰ることを伝えてここへ残ることにして、ステージ付近へ歩いて行く。


するといったん帰ったフリをした宇治山くんがにこやかな表情で現れた。


 切り出しにくいけど言うなら今しかないよね。


「宇治山くん、この間の返事……」


「うん」


「やっぱり……」


 そう言ったとき、正面入り口から誰かが入ってきた。


 このみちゃんたちが戻ってきた!?


 そう思ってそちらを見ていたら、それは全く別の人物だということが分かった。


「これで飾り付けたつもり? 予算があるんだからもっと派手にやればいいのに」


「そうだよ、エマちゃんの一声で人気アイドルが揃うし、去年みたく盛大にやりたいよねー」


 エマちゃんと、数人の女子生徒だ。


 すぐに気付かれて、こちらに走ってきた。


「こんなところで密会? やることやってるよね」


「そうじゃなくて、私たち体育館係で……」


 否定しようとしたら、さも楽しそうにクスクスと笑い始めた。


「エマの提案を宇治山くんが断ったから、この展示物を壊しに来たの。鉢合わせしちゃったね、お互いタイミング悪いよねえ」


「え……」


 壊すってどういうこと!?