添い寝だけのはずでしたが

「ありがとうございます……」


葵さまの方を振り向くと、横になったままこっちを見つめていた。


ドキッ!


あまりに優しい表情をしていて、一気に心拍数が上がる。


急に恥ずかしくなってまた葵さまとは反対の方向を向く。


顔が熱い……。


まだこっちを見ていると、意識すればするほど緊張してしまうし、胸のドキドキがおさまらない。


もっと葵さまと話したいのに、今の状態では……恥ずかしくて無理。


 私……学園にいられなくなることよりも、この生活が終わってしまって葵さまと会えなくなる方が辛いかも……。


 贅沢を言っていられないのは十分承知しているのに、そんな風に思ってしまう自分がいる。


「もういい、おやすみ」


 反対側を向くような音がして、軽く振り返ると葵さまは私とは背中合わせになっていた。


 なんだかホッとしたような、寂しいような……。


この気持ちがどういう感情なのかよく分からない。
 

しばらく横になっていると、葵さまの寝息が聞こえてきた。