添い寝だけのはずでしたが

「学祭の買い出しの後にカフェに寄って、遅くなってしまって」


「へえ。ずいぶん楽しそうだけどハメ外すなよ」


 ボソッと葵さまが呟く。


 お咎めにも聞こえるけど、これは興味を持ってくれたと思ってもいいのかな。


「あの……葵さまもご一緒にどうですか?」


「ああいうのは、性に合わない」


 ですよねえ……。


 苦笑していると、冷たく言い放たれた。


「必要以上に仲良くすると後で辛くなるのは分かってるよな。そのうち添い寝係の必要がなくなれば、学園にも通えなくなる」


「はい……」


現実を突きつけられて、グッと胸が痛くなる。


それにさっき考えていたことを見透かされていたのかと思って驚く。


そんなわけはないけど……葵さまの言うことは正しい。


「だけど今は……まだ、お前が必要だ。もうしばらくここにいてもいい」


 ドキッ。


 必要だと言われて、胸が熱くなる。


 優しさでもなんでもないはず。


 そうと分かっていても嬉しいのは……どうして?