添い寝だけのはずでしたが

部屋に戻って昼食の準備に取り掛かる間、葵さまはソファで本を読んでいた。


穏やかなひととき……。


喜んでくれるか分からないけど、材料が少なくても作れるオムライスにしたの。


仕上げにケチャップで、ハートを書いてみた。


うわ……なんだかそれっぽい。


「葵さま、ご飯できたよ」


 テーブルの上にオムライスを運ぶと、すごく嬉しそうにしている。


「ありがとな」


「口に合うかは分からないけど……」


「俺のために一生懸命作ったのに、うまくないわけないだろ」


 葵さまの言葉とは思えない。


「ハートって困るな……」


「だよね」


「崩すのがもったいない」


 そ、そういうこと!?


「気にしなくていいよ。私も食べよーっと」


 卵にガッとスプーンを入れると、ハートのところで真っぷたつに割れた。


 うわ……ちょっとこれは。