添い寝だけのはずでしたが

全く受け入れる様子はなく、他に何か別のことを提案しないといけない雰囲気。


 どうしよう……。


 ふと、キッチンが目に入った。


 材料があればここで何か作れそう。


「葵さまに、お昼ご飯を作るのは……どう?」


「ここで?」


「うん。そんなにすごい物は作れないけど、彼女っぽいかなって」


普段、高級な物しか食べていない葵さまからしたら物足りないだろうけど、これぐらいしか思いつかない。
 

賛成してくれるかな……。


「いいな。楽しみにしてる」


 ふわりと優しく微笑む葵さまは本当に彼氏みたいで、これが命令だということを忘れてしまいそうになる。


「ショップで野菜も買えそうだし、ちょっと行ってくるね」


「一緒に行く」


 ふたりでショップへ行き、必要な物を買う。


 ついでにお土産を見たり、置いてある物について会話することがとても楽しい。


 葵さまって、普段学校では偉そうなのに……ふたりでいるときは話しやすくてなんだかホッとする。


「これ、お揃いで買うか」


 葵さまが、沖縄と書かれている、いかにもなキーホルダーを手に取る。


 チョイスに笑っちゃうものの、そう言ってくれたことがなんだか嬉しくて大きく頷いた。



 本当に彼氏ならいいのに……。