出会った頃は、添い寝係なんてふざけた話だと思っていた。


真面目に取り組む寧々を見ていると、どうしてだか分からないけど……尖った気持ちが少しずつ和らぐのが分かった。


最初は俺も寧々に対して不信感を持っていたし、試すようなことをして悪かったとは思ってる。


それでもいつも必死だし、俺が寝ないと眠れないプレッシャーが一応寧々にもあるんだと気付いてからは……こっそり寝たフリをしている。


そんな、添い寝されたからって長年の不眠症が治るわけもない。


そう思っていたのに寧々の寝息を聞いていると……だんだん心が穏やかになって、自然と眠っていることがある。


夜中に目覚めると、途中で起きたのか寧々が机で勉強しながら爆睡してることもある。


そういう時はそっとベッドまで運ぶけど、無防備に眠っていてその寝顔がまたたまらなくかわいい。


こんな風に思い始めたのはいつ頃か……。


自分でも分からないうちに、寧々に心惹かれている。


さっきのカフェでの反応は、どういうことだろうな……。


いつもからかうと真っ赤になって嫌がるのに、さっきは俺を受け入れてた気がする。


寧々が俺を……?


いや、それはないか……。