添い寝だけのはずでしたが

「だけど今回寧々ちゃんと同じ班で一緒に過ごしてみて、エマちゃんの言ってるような嫌な人でもないし、優しいし……やっぱり無理だって断ったのに、やらなかったら学校に通えないようにするって脅されて……」


「ひどいね。それで、断りきれなかったんだ」
「うん。怒らせたら、すごく怖くて……。今まで本当に学校に来れなくなった人もいるし、そうなると困るから」


私もさっきエマちゃんに言われたっけ。


もしそれだけの権力があるとしても、それに屈するのは嫌だしできるならこのみちゃんのことも守りたい。


「もし学校に戻ってからエマちゃんが何か行動を起こしてきたらすぐに言って。私でできることなら力になるよ」


「ありがとう……ひどいことして、本当にごめん……」


「ううん、私のことはもういいよ」


 その時、乗船所の入口で誰かが大きな声を張り上げていることに気が付いた。


「緊急事態のため、近くにある中学校の体育館を解放しました。可能な限り順番に送迎する予定です。あとひとり乗車できますが、どなたかいらっしゃいますか?」


外に大型バスが停まっていて、私は慌てて手を上げた。


「乗ります!! このみちゃん、先に行って」


「だけど、寧々ちゃんが……」


「具合が悪いんだから、こういうときは無理しないで」


 バスに押し込むようにして、このみちゃんを乗せた。


「寧々ちゃん……ありがとう……」


 別れ際に、このみちゃんの頬に一筋の涙が流れていた。


 きっとあの涙は嘘じゃないと思う……。