添い寝だけのはずでしたが

とりあえず今日はここで過ごして明日ホテルに戻って、葵さまへの言い訳はそれから考えればいいよね。


「うっ……」


隣にいるこのみちゃんの様子がおかしい。


呼吸が荒くなって、今にも倒れそうに見える。


「大丈夫? 私にもたれていいよ」


「寧々ちゃん……どうして私に優しくするの? エマちゃんから私がしようとしたことを聞いたんだよね」


「もういいよ。一緒の班になって話してみて、このみちゃんがいい人なのは私が分かってる。もうそれだけで十分じゃない?」


このみちゃんは辛そうに俯く。


「そんな感じだから、エマちゃんにナメられるんだよ……バカだね……」


「そうかもね……」


あの笑顔に騙されていた。


そうはいってもスマホを探すために船に乗ったのは自分の判断だし、出航する可能性があることを考えもしなかったのは自分の落ち度。


しばらくすると、このみちゃんの状態が少しマシになってきた。


「エマちゃん……なんて言ってた?」


「このみちゃんが計画したって……だけどもういいよ」


「ええっ! 違うよ、全部エマちゃんが言いだしたことなのに。スマホを忘れたことにして探しに行かせるから、船から降りないように引き留めろって言われたの」


この出来事さえ全部このみちゃんに押し付けて、自分は高見の見物なんだ……エマちゃんの身勝手さを今やっと思い知った。