添い寝だけのはずでしたが

「マジでイラつく」


 え……。


 一瞬、頭が真っ白になった。


 今までのかわいいイメージが、ガラガラと崩れ落ちていく。


「エマ……ちゃん?」


「そこまで言うなら、また葵さまに助けてもらえば? あの時みたいに」


フフッと笑う声を聞いて、背中がゾクッとした。


「あの時みたいに……って、どういうこと?」


「覚えてないの? 転校初日にロッカー室に行ったよね。あの日、葵さまが血相変えて寧々ちゃんを探し回ってたよ。今日はまだ気付いてないみたいだけど、また探すのかなあ。ふふっ」


あの時、葵さまは私を探していてくれたんだ……。


助けてくれたのは宇治山くんだけどそれは置いておいて、ロッカー室に閉じ込めたのは本当にエマちゃんだった?


「私がロッカー室にいるって知ってたのに、どうして伝えてくれなかったの?」


「そんなの知らない。葵さまがどうするんだろうって、それに興味があっただけ。あんなに必死な葵さまを、初めて見ちゃった」


「どうなのかな……」


 私には分からない、雇い主という義務感からなのかもしれないし……。