添い寝だけのはずでしたが

私がいないことに気が付いたら心配をかけるよね。


連絡を入れようと思ったものの、海の上では電波が通じなくてしばらくこのまま港に到着するのを待つしかなさそう。


葵さまに……会いたい。


不安な気持ちからか、浮かぶのは葵さまの笑った顔ばかり。


連絡したところで、勝手なことをしてと怒られるかもしれないのに、優しい顔しか浮かばないなんて、私も相当弱ってるよね……。


落ち着いたら、来る時に雨で髪や服が濡れていたことを思い出す。


船内はクーラーで冷えていて、体がどんどん冷えていくのが分かる。


ブルっとなって寒さによる震えと、不安な気持ちを抑えるように自分で自分を抱き締めた。






到着した港で驚愕……。


悪天候によりさっき私が乗っていた便で打ち切りになったらしく、この後に船が出る予定はないという。


港付近は人で溢れ、ごった返していた。


このみちゃんは何とか持ち直し一緒にここまで歩いてきたものの、私の隣で黙ったまま浮かない顔をしている。


 ホテルに戻る方法を誰かに相談しようにも、問い合わせが殺到しているようで乗船所のスタッフに話しかけられる雰囲気でもなかった。


 タクシー乗り場も長蛇の列で、移動できなくなった周りの観光客は、今夜に泊まるホテルや民宿を必死で探している。


 とりあえず宿泊ホテルに連絡を入れて先生に取り次いでもらおうとしたけど、通信状況が悪く、スマホもなかなか繋がらないような状況。


 これはまずい……。