添い寝だけのはずでしたが

 一番後ろの席へ向かい、出航を待っているお客さんに席を譲ってもらいつつ、座席の上を念入りに探すものの、スマホは見当たらない。


下にも落ちていないし、船には忘れてないのかも……。


 船室から出ようとしたら、このみちゃんが入ってきた。


「このみちゃん、もう大丈夫なの!? どうしてここに?」


「もう治ったから……それより、エマちゃんのスマホは見つかった? 私も一緒に探すよ」



 そう言いながらも、顔がまだ青白い気がする。


「ううん、まだ……」


 ガタン!


 船体が揺れ、船が出航していることに気が付いた。
 

え……どうしよう、困る。


 慌てて外に出ようとすると、このみちゃんに止められた。


「まだ見つけてないのに、どこに行くの?」


「そうだけど、船が出ちゃうよ」


 服を掴まれて、動くことができない。


 そうしているうちに、船はどんどん海の中を突き進んでいく。


 立ち尽くしていると、船員さんが声をかけてきた。


「かなり揺れるから、席に座っていて下さい」


「あのっ、忘れ物を取りに来ただけで乗るつもりはなくて」


「いや~、波が高くなってきてるからもう戻れないよ」


 ええっ!?