全部台無しじゃないか。 こんな偶然、信じられない……。 「では解散。気を付けて帰って下さいね」 すぐに立ち上がり、教室から出ようと思ったその時、腕をパシッと掴まれる。 「なぁ、俺から逃げられると思った?」 心臓がドクドクと音を鳴らす。低くて色気のある声。 「……だ、誰ですか……」 「は?何いってんだよ。お前の幼馴染ですけど?」 「ひ、人違いですっ!さようなら!」 腕を振り払って猛ダッシュで教室からでる。