居酒屋。おしゃれな和風のつくり。ここなと、カスミは向かい合って席についていた。冷房はなく、暑苦しかった。
 ここなは汗をかいていた。働いた後のいい匂いがした。
 カスミも汗をかいていた。さわやかな匂いをたてていた。
 居酒屋内はほかのお客さんで、騒がしかった。
 エプロン姿の若い女性店員が現れた。汗をびっしょりかいていた。青春の香りがした。
 「はい、酎ハイ梅」
 女性は元気に言って、酎ハイの入ったジョッキを机に置いた。
 「ありがとう、ゆなちゃん」
 と、かすみ。
 「ありがとう、ゆな」
 と、ここな。よく来る店なので知り合いなのだ。しばらくしてゆなが焼き鳥の載った皿を持ってきた。
 「はい。焼き鳥」
 ゆなは皿を机に置いた。
 ここなとカスミはジョッキを持った。
 「かんぱあい」
 二人、ジョッキをかちならした。ここなとカスミは酎ハイを少し飲んだ。
 「はあ」
 と、二人はジョッキを机に置いた。カスミは焼き鳥をとりわけた。ここなは串を持ってかぶりついた。
 「ああ、おいしい」
 と、ここな。酎ハイを飲んだ。
 「はあ」
 二人は食べたり飲んだりした。
 お酒や焼き鳥の臭いがした。