今日聞かされた蘭穿とルーゼについて…

正直頭の整理がついてない。

だってあの喜多川くんと拓真さんが人殺しなんて…するわけないよ！

た、ただの噂だよね。

しかも涼太がその蘭穿の敵対組織ルーゼの一員なんて…

しかも幹部…

涼太とは幼馴染だけど今の今まで知らなかった…

私、幼馴染失格だなぁ。　

でも一番気がかりなのは涼太にあんな言い方をしちゃったこと。

ホントはあんなに強く言うつもりなんてなかったのに…。

でも喜多川くんのことを悪く言った涼太がどうしようもなく許せなかった。

それに最後に咲希ちゃんが言ってた、涼太に昨日のことを言うともう二度と喜多川くんに会えなくなる…

そのことを言われた瞬間全身から絶対に嫌という感情が溢れてきて、正直自分でもビックリしてる…。

それで一つ浮かんだ可能性を…否定した。

そんなことない。私の気持ちはそういうことじゃない…。

そうだよ、私が会えないことを拒んだのはただ友達として…だよ。

うん。そうだよ。

「莉花…？莉花！」

「さ、咲希ちゃん？」

「大丈夫？莉花さっきからぼーっとしてるけど…」

「大丈夫だよ。ねぇ、それより喜多川くんにはどうやったら会えるの？A組の人に聞いてみたんだけど、ぜんぜん学校に来てないみたいだし…。咲希ちゃんは何か知ってる？」

私は今、どうしても喜多川くんに会いたい！

情報通の咲希ちゃんなら何かわかるかもしれない。

「んー、噂でしかないんだけど夜八時過ぎに旧校舎に現れるって。喜多川くん。」

「夜八時、旧校舎ね！わかった！ありがとう！咲希ちゃん大好き！」

「私も大好き！でも、莉花…。ほんとに行くの？ただの噂だよ？」

「うん！たとえ噂だとしても、どうしても喜多川くんに会いたいの。」

「そっか…。莉花の気持ちはわかった！でも気を付けてね…、夜の外って暗いし、最近はここら辺悪い噂しか聞かないし…」

「うん！気を付ける！咲希ちゃん、ほんとにありがとう！」