「ホラー映画?」
「そう、一緒に見ようよ」
夏休みも終わりに近づいたある日、
響からの電話で映画鑑賞を提案された。
「なんでホラー?」
「夏の映画の定番といえばホラーでしょ」
「そうなんだ」
(別に映画鑑賞はいい。ただ問題は)
「どこで見るの?」
「え、レンタルするから渚の家で見れないかなって。テレビ大きいし」
(そうなるよね)
当たり前のように答える響にため息が出る。
「え、ごめん。予定あった?」
「特にないけど、」
「よかった、じゃあ日曜日に行くね」
「・・・うん」
楽しそうな響の声に反対なんてできなかった。
不安を抱えたまま迎えた鑑賞会。
響はニコニコした顔で市販のポップコーンとコーラを持参して準備万端。
「大丈夫、ネットで調べて初心者向けのものを
選んだから」
「そっか、」
まだ明るいのに心臓がうるさい。
響はカーテンを閉め、
(目、悪くなりそう)
勝手にDVDをデッキに
セットして操作している。
鼻歌しながら。
(すごく楽しそうだな、)
お嬢様は諦めた表情で高橋様を見ている。
「お嬢様、高橋様。
私は執務がありますので失礼しま」
「え、執事くん。見ないの?」
「お誘いは嬉しいのですが・・・」
高橋様は俺も見るそうていだった想定だったのか
驚いていた。
「陽、どうしてもダメ?」
(お嬢様から珍しいおねだり!
即時に分かったって言いたいけど、
執務があるし・・・。
でも、第一はお嬢様だし。)
「そうですね、」
乱れている感情を表に出さないように
涼しい顔を取り繕う。
「確認をしてきますので少々お待ちください」
退室して小走りでリーダーのところへ。
「・・・ということなんですが」
(心の葛藤は話せないけど)
「いいよ」
「え、いいんですか!?」
あっさり許可が出て聞き返してしまった。
「兎にも角にも第一はお嬢様だからな。
それに執事は1人じゃないんだ。
1人抜けたくらい、俺たちが完璧にカバーする」
「リーダー、」
(かっこいい)
リーダーにお礼を言って浮き足でお嬢様の部屋に戻る
ほとんどが主人公視点なため自分が体験している
ような臨場感。
主人公の緊迫した息遣い。
自分以外の足音、鏡に映る自分以外の姿。
ホラー映画でよくある演出。
緊張感のあるBGMや効果音、
(これほんとに初心者向け?すごく怖い)
涼しい顔で見ているがめちゃくちゃ怖い。
そう序盤は思っていた。
映画中盤。
「執事くん、これ絶対曲がり角から来るよね」
「陽、」
俺を盾にするように背中越しにチラチラ見て
俺以上に怖がっている2人を見て逆に
冷静になってしまった。
ただ、
「うわっ!」
「っ、」
なにかアクションがあるたびに
大きな声を出す高橋様、
声は出さないが、腕を掴んでいる手に力が入る
お嬢様。
耳と腕がすごいダメージを受けている。
終盤までこんな感じでほとんど内容を覚えないまま
映画は終わった。
2人はハッとしてすぐに離れた。
2時間の映画。
カーテンを開けるとすごく目がチカチカする。
ポップコーンもコーラも手をつけないで
終わってしまった。
後片付けをして高橋様は自分の分は持って、
お礼を言って帰って行った。
「そう、一緒に見ようよ」
夏休みも終わりに近づいたある日、
響からの電話で映画鑑賞を提案された。
「なんでホラー?」
「夏の映画の定番といえばホラーでしょ」
「そうなんだ」
(別に映画鑑賞はいい。ただ問題は)
「どこで見るの?」
「え、レンタルするから渚の家で見れないかなって。テレビ大きいし」
(そうなるよね)
当たり前のように答える響にため息が出る。
「え、ごめん。予定あった?」
「特にないけど、」
「よかった、じゃあ日曜日に行くね」
「・・・うん」
楽しそうな響の声に反対なんてできなかった。
不安を抱えたまま迎えた鑑賞会。
響はニコニコした顔で市販のポップコーンとコーラを持参して準備万端。
「大丈夫、ネットで調べて初心者向けのものを
選んだから」
「そっか、」
まだ明るいのに心臓がうるさい。
響はカーテンを閉め、
(目、悪くなりそう)
勝手にDVDをデッキに
セットして操作している。
鼻歌しながら。
(すごく楽しそうだな、)
お嬢様は諦めた表情で高橋様を見ている。
「お嬢様、高橋様。
私は執務がありますので失礼しま」
「え、執事くん。見ないの?」
「お誘いは嬉しいのですが・・・」
高橋様は俺も見るそうていだった想定だったのか
驚いていた。
「陽、どうしてもダメ?」
(お嬢様から珍しいおねだり!
即時に分かったって言いたいけど、
執務があるし・・・。
でも、第一はお嬢様だし。)
「そうですね、」
乱れている感情を表に出さないように
涼しい顔を取り繕う。
「確認をしてきますので少々お待ちください」
退室して小走りでリーダーのところへ。
「・・・ということなんですが」
(心の葛藤は話せないけど)
「いいよ」
「え、いいんですか!?」
あっさり許可が出て聞き返してしまった。
「兎にも角にも第一はお嬢様だからな。
それに執事は1人じゃないんだ。
1人抜けたくらい、俺たちが完璧にカバーする」
「リーダー、」
(かっこいい)
リーダーにお礼を言って浮き足でお嬢様の部屋に戻る
ほとんどが主人公視点なため自分が体験している
ような臨場感。
主人公の緊迫した息遣い。
自分以外の足音、鏡に映る自分以外の姿。
ホラー映画でよくある演出。
緊張感のあるBGMや効果音、
(これほんとに初心者向け?すごく怖い)
涼しい顔で見ているがめちゃくちゃ怖い。
そう序盤は思っていた。
映画中盤。
「執事くん、これ絶対曲がり角から来るよね」
「陽、」
俺を盾にするように背中越しにチラチラ見て
俺以上に怖がっている2人を見て逆に
冷静になってしまった。
ただ、
「うわっ!」
「っ、」
なにかアクションがあるたびに
大きな声を出す高橋様、
声は出さないが、腕を掴んでいる手に力が入る
お嬢様。
耳と腕がすごいダメージを受けている。
終盤までこんな感じでほとんど内容を覚えないまま
映画は終わった。
2人はハッとしてすぐに離れた。
2時間の映画。
カーテンを開けるとすごく目がチカチカする。
ポップコーンもコーラも手をつけないで
終わってしまった。
後片付けをして高橋様は自分の分は持って、
お礼を言って帰って行った。


