「陽、いる?」
部屋をノックするが返事はない。
「入るよ」
部屋は無人で安心した。
(よかった)
机の上に箱とカードを置いて出ようとした。
ベットの上に雑に置かれた燕尾服。
(忙しかったのかな)
ハンガーにかけてラックにかけようとしたが
好奇心で鏡で体の前で合わせる。
(大きくなったな。
初めて会った時は私の方が身長高かったのに
男の子は今ぐらいが1番の成長期だから、
もっと大きくなるかな。
羽織ったらすっぽり収まりそう。
流石にしないけど)
「はぁ、さっぱり・・・お嬢様!?
すみません、こんなだらけた格好、で・・・」
寝巻き姿の陽と鉢合わせ。
燕尾服に目が止まった。
「あ、えっとこれは!
ハンガーにかけようとして、それで!
と、とにかくはい、渡したからね!」
陽に押し付けて部屋を飛び出す。
(ダメだ、変態だって思われた!絶対に!
これってハラスメント案件!?)
「なんだったんだろう」
押し付けられたものをラックにかける。
机に置かれた箱とカード。
(素直じゃないなぁ。俺たちのお嬢様は)
箱を開けると懐中時計が。
蓋をそっと閉じた。
ー1週間後ー
「手紙を書けなくて1週間放置。
勝手に部屋に入って服を合わせて見られたら
押しつけて、挙句メッセージカードを書いたとはいえ
弁明だけして帰ってきた?
・・・最低じゃん」
朝のHR前に響に今までのことを話すとすごく
引かれた。
冷めた目と冷たい言葉は、心を抉る。
「ぐっ、か、返す言葉もありません」
「それで、陽くんは?」
「なにも、変わってなかった。
次の日にそれとなく聞いても、
誰から宛てられたのかわからない得体の知れないものはつけられませんって。変なところで疎いんだから」
(むしろ聡いから黙ってると思うけど
面白いから渚には黙っとこう)
「そもそもなんで手紙を書こうと思ったの?」
「普段伝えられてないことを手紙で伝えられたらなって思ったんだけど、思いつきでするものじゃないね」
椅子を少し下げて机に頭をつけて項垂れる渚。
「ねぇ、渚ってさ陽くんのこと好きなの?」
「好きだよ」
間髪入れずに答えられた好き。
(でも)
「好きじゃなかったら誕生日なんて祝わないよ」
(だよね。渚の執事くんに対する好きはlike。
知ってた)
「でも陽くんは」
「はーい、席つけお前ら」
HRを伝えるチャイム。
それと同時に教室に入る担任の石井先生。
そそくさと斜め前の席に戻る私。
(渚はlikeだろうけど執事くんはloveなんだろうな)
1時間目が始まる5分前。
「そういえばさっきなにか言いかけてなかった?」
「・・・なんだっけ?思い出したらまた言うよ」
「忘れるの早くない?」
渚に呆れられてしまったけど
これは言わないでおこう。
ー放課後ー
結局、放課後になってしまった。
帰り道、さっきから尽きないため息。
「渚さん?」
振り返るともう待ち合わせの場所は過ぎていた。
「ご、ごめん。考え事してた」
「なにか悩みでも?」
「ううん、なんでもないよ」
部屋をノックするが返事はない。
「入るよ」
部屋は無人で安心した。
(よかった)
机の上に箱とカードを置いて出ようとした。
ベットの上に雑に置かれた燕尾服。
(忙しかったのかな)
ハンガーにかけてラックにかけようとしたが
好奇心で鏡で体の前で合わせる。
(大きくなったな。
初めて会った時は私の方が身長高かったのに
男の子は今ぐらいが1番の成長期だから、
もっと大きくなるかな。
羽織ったらすっぽり収まりそう。
流石にしないけど)
「はぁ、さっぱり・・・お嬢様!?
すみません、こんなだらけた格好、で・・・」
寝巻き姿の陽と鉢合わせ。
燕尾服に目が止まった。
「あ、えっとこれは!
ハンガーにかけようとして、それで!
と、とにかくはい、渡したからね!」
陽に押し付けて部屋を飛び出す。
(ダメだ、変態だって思われた!絶対に!
これってハラスメント案件!?)
「なんだったんだろう」
押し付けられたものをラックにかける。
机に置かれた箱とカード。
(素直じゃないなぁ。俺たちのお嬢様は)
箱を開けると懐中時計が。
蓋をそっと閉じた。
ー1週間後ー
「手紙を書けなくて1週間放置。
勝手に部屋に入って服を合わせて見られたら
押しつけて、挙句メッセージカードを書いたとはいえ
弁明だけして帰ってきた?
・・・最低じゃん」
朝のHR前に響に今までのことを話すとすごく
引かれた。
冷めた目と冷たい言葉は、心を抉る。
「ぐっ、か、返す言葉もありません」
「それで、陽くんは?」
「なにも、変わってなかった。
次の日にそれとなく聞いても、
誰から宛てられたのかわからない得体の知れないものはつけられませんって。変なところで疎いんだから」
(むしろ聡いから黙ってると思うけど
面白いから渚には黙っとこう)
「そもそもなんで手紙を書こうと思ったの?」
「普段伝えられてないことを手紙で伝えられたらなって思ったんだけど、思いつきでするものじゃないね」
椅子を少し下げて机に頭をつけて項垂れる渚。
「ねぇ、渚ってさ陽くんのこと好きなの?」
「好きだよ」
間髪入れずに答えられた好き。
(でも)
「好きじゃなかったら誕生日なんて祝わないよ」
(だよね。渚の執事くんに対する好きはlike。
知ってた)
「でも陽くんは」
「はーい、席つけお前ら」
HRを伝えるチャイム。
それと同時に教室に入る担任の石井先生。
そそくさと斜め前の席に戻る私。
(渚はlikeだろうけど執事くんはloveなんだろうな)
1時間目が始まる5分前。
「そういえばさっきなにか言いかけてなかった?」
「・・・なんだっけ?思い出したらまた言うよ」
「忘れるの早くない?」
渚に呆れられてしまったけど
これは言わないでおこう。
ー放課後ー
結局、放課後になってしまった。
帰り道、さっきから尽きないため息。
「渚さん?」
振り返るともう待ち合わせの場所は過ぎていた。
「ご、ごめん。考え事してた」
「なにか悩みでも?」
「ううん、なんでもないよ」


