「おい、またかよ」

眉間に深いシワを寄せて呟いたのはなんでも屋の戸川という男だった。

なんでも屋というくらいだから大抵のことは請け負う仕事をしているので、戸川は毎日のようにジムに行って体を鍛えている。

その大きな体に黒い口ひげを蓄えて眉間にシワを寄せている姿は、ちょっと引くほど威圧的に見える。

「そうなんっすよねぇ。1日に何度も同じ人からの依頼が来てるっす」
そんな戸川になれた口調で返事をしたのはなんでも屋唯一の社員である羽島だった。

羽島はまだ19歳で、そりの合わない両親の元を無計画に飛び出してフラフラしていたところを、戸川に拾われた。

羽島はそのルックスのよさを使って思い別れさせ屋のような仕事をしている。
A子とB男が付き合っていたとして、そこにC男がA子に一目惚れ。