つぶやきながらクーラーボックスを開ける。
中を覗き込んだ瞬間、レイカと視線がぶつかった。

レイカがジッとこちらを見つめてきているけれど、その体はクーラーボックスひとつには入りきっていない。

もうひとつのクーラーボックスを開けてみると、そこにはレイカの下半身だけが入れられていた。

「俺の告白を断るからそうなったんだ」
ハッとして振り向くと包丁を持つ涼介が立っていた。

そして笑うと「また食材が増えちゃうな」と、呟いたのだった。