「ここは地獄だ。お前はあそこから落ちてきたんだ」

そう言って上を指し示す鬼に促されて見上げてみると、そこにはあの横断歩道があり、渉が立ち尽くしていた。

ジッとこちらを見ている。
「わ、渉! 助け……!」

「あいつはセーフだ」
鬼はそう言うと俺の体を担ぎ上げたのだった。