この部屋には窓もないんだろう。
「ビックリしてほしいから。ほら、こっち」

涼子に手を引かれて部屋の中央へ恐る恐る進んでいく。
「ここで待ってて」

そう言われて手が離されたあと、ドアが閉まる音が後ろに聞こえてきた。
そしてカチャッと鍵をかける音も。

どうして鍵をかけるの?
そう質問しようとしたときだった。

パチッと部屋の電気がつけられて、私は咄嗟に目を閉じた。

暗闇から明るい場所へ突然出てきたときのように目が痛くなる。

「さぁ、目を開けて」
涼子の声が右手に聞こえてきてそっと目を開く。

そして私は「あっ」と声を上げて固まってしまった。