山岳部の部員3名は山の中腹あたりにある小屋で休憩を取っていた。

いつもは顧問の先生も同伴して山登りをしているのだけれど、親戚の人が亡くなったとかで急遽来ることができなくなった。

そのため山登りの日程も変更になると思っていたけれど、部長の山里からの提案で「山に慣れた3年生だけでも行こう」ということになったのだ。

かくして、部長の山里、副部長の吉崎、そして自分というメンバーで顧問にも、内緒でここへ来ることになった。

とはいえ、この地元の山は山岳部で毎年登山している山なので、みんな道順を熟知していた。

山道から外れなければ危険な山ではないし、他に登山客も沢山いる。

山の高さもそれほど高くはない。