浩二は時折倫子の手を引いて邪魔なものを避けて前へ進んでいく。
家の奥は換気が悪いようでカビくささが鼻につく。
「ねぇ。もう帰ろうよ」
倫子は浩二の手にすがりつくようにして歩くのを嫌がり始めた。
大学で廃墟の話をしていたときには怖がっていた様子はなかったけれど、実際にここに来て見るとやっぱり恐怖を感じるみたいだ。
そういう浩二も薄気味悪い廃墟に冷や汗が流れていた。
「ここは2階もあるらしい。幽霊が出るっていうのは、2階なんだってさ」
1階をぐるりと調べ終えてから浩二は言った。
1階にあったのはお風呂、トイレ、リビングダイニングに和室だった。
2階にも3部屋あると噂だった。
「2階なんて見なくていいよ。もう出ようよ」
家の奥は換気が悪いようでカビくささが鼻につく。
「ねぇ。もう帰ろうよ」
倫子は浩二の手にすがりつくようにして歩くのを嫌がり始めた。
大学で廃墟の話をしていたときには怖がっていた様子はなかったけれど、実際にここに来て見るとやっぱり恐怖を感じるみたいだ。
そういう浩二も薄気味悪い廃墟に冷や汗が流れていた。
「ここは2階もあるらしい。幽霊が出るっていうのは、2階なんだってさ」
1階をぐるりと調べ終えてから浩二は言った。
1階にあったのはお風呂、トイレ、リビングダイニングに和室だった。
2階にも3部屋あると噂だった。
「2階なんて見なくていいよ。もう出ようよ」



