さくらの花に、愛を込めて。

___カサッ


ゆっくり、恐る恐る近づき、
低木の影から覗いてみると、


さくら姫「…!」


そこには、1本の木を見つめるソラ王子がいました。

ソラ「……」


ゾクッ……

そして、さくら姫は、
再び、嫌な気配と寒気を覚えました。


その気配の正体はなんなのか、
さくら姫は、辺りをよく観察しました。


そのとき、
ソラ王子が見つめる1本の木が目にはいりました。


さくら「あの木……どこかで……」


どこかで見たことがあるような1本の木。
その木が、嫌な気配の元凶のように感じます。


さくら「…!」


さくら姫は思い出しました。
そして、首にかかったペンダント__母の形見のペンダントを握りしめました。


さくら「あれは…サクラの木?」


そう。それは、
サクラの木だったのです。

しかし、

さくら「でも…なんだか様子が…」

そのサクラの木は、満開でした。

そして、そこに咲く花びらは、

ゾクッ__

___真っ赤に染まっていました。

まるで、血に染まっているかのような。


さくら「わたしが知ってるサクラは、きれいな白色だった…そっくりな違う木なのかしら…」


すると、
サァァ…__

風も吹いていないのに
赤い花たちが揺れだしました。

さくら姫が不思議に思っていると、
ソラ王子が、その真っ赤な花を咲かせる木に向かって話しかけました。


ソラ「…そう慌てるな。今、我が国に来ているラフリン帝国の奴らを手にかける計画を練っているのだから__」


さくら「…!」

なんと、
使節団の団員を襲わせたのは、
ソラ王子だったのです。


さくら「…どういうこと…?なぜそんなひどいことを…」



グイッ__


さくら姫はおもわず、身を乗り出しました。

すると、


__パキッ


小枝を踏んでしまい、
音があたりに響きます。


ソラ「…!誰だ!」