さくらの花に、愛を込めて。

”さくら”

さくら姫は、
久しぶりに自分の名前を呼ばれた気がしました。
そして、思い出しました。

「さくら姫は、私…」

このペンダントが今ここにあることが
自分が本当のさくら姫である動かぬ証拠だと思い、
さくら姫は勇気が湧いてきました。


「たとえ、姿が変わっていても、心は変わらない。私がどうしたいのか、考えて行動するだけ。」



__”私が一番に望み願うものは、初めから決まっているのだから。”


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そして時は流れ、
約束の1週間後になりました。


「さくら姫、実は城の外に、珍しい植物を見つけたのです。花が大好きなあなたならとても喜ぶと思うのですが、一緒に散歩にいかないですか?」

「まぁ…それはとても興味があります。でも、城の外に出て大丈夫でしょうか…」

「わたしがお連れするので、ご安心ください。」


この会話を聞いた、マリーことさくら姫は、
あのサクラの木によって、
ソラ王子とさくら姫が城外におびき寄せられたのだと気づきました。

そして、いよいよ決戦のときだ、と
さくら姫はこぶしを握り締めました。



___
_______…


ザッ__

「ここが、その場所です。」

ソラ王子が連れてきてくれたのは、
城を出て少し進んだ場所にある岬でした。

たしかに、美しい花、見たことのない花が咲いています。


「本当にきれい…」

2人は、そういいながら手をつなぎ、
岬の先端のほうへと進んでいきました。


そのとき、


サァァァッ__


__”さぁ、さくら姫よ。舞台は整った。”


マリーことさくら姫の背後に、
真っ赤な花を揺らすサクラの木が現れました。

「…来たわね…」

さくら姫は振り返り、サクラの木を見つめました。

そして、

__バッ


ペンダントを掲げて、こう叫びました。


「私は、ラフリン帝国 王女 さくら。ラフリンの名に懸けて、私はソラ王子と”ソラ王子が愛するものすべて”を丸ごと愛します。よって、あなたの手助けは、不要です!」


さくら姫のその言葉に反応するかのように、
ペンダントが輝き、目の前のサクラの木を照らしました。


サクラの木「うあぁぁ……まぶしいッ…」


辺り一面が、ペンダントのまばゆい光に包まれました。
そして、目の前の光景が、
パズルが崩されたように粉々になっていきました。


___そう。すべては、
サクラの木が見せていた幻だったのです。