さくらの花に、愛を込めて。

さくら姫は、ペンダントを手に取り、
中に描かれた真っ白の花を咲かせるサクラの木を眺めました。

穢れのない、まっさらできれいなその花びらを見ていると、
心が落ち着いてきました。

そのとき、


”それでいいのよ”


さくら姫は、
だれかの声が聞こえたきがしました。


”憎んでもいい。ねたんでもいい。”

”自分の気持ちに嘘はつかなくていいのよ。”


__母の声だ。

さくら姫は思いました。
聞いたことはないけれど、
たしかにそう感じました。

そして、再び涙が流れました。
なぜなら、今の自分の醜く黒い心を、
認めてくれる誰かがいるとは、思っていなかったからです。

「…お母様…ッ、私……ッ、これからどうしていけばッ、…」

さくら姫は、泣きじゃくりながら母の声に話しかけました。

”あなたは何を願いますか?”

「…私が願うもの…?」

”愛は、もろく、穢れやすい繊細なもの。ゆえに今のあなたの反応も当然のこと。”


”だけど__


________本質を見失わないで。あなたが何を一番大切にしたいのか、気づいて”



「私が、一番大切にしたいもの…」


”大丈夫よ。さくら。あなたが思うままに進みなさい”

その一言を最後に、
声は、もう聞こえてきませんでした。