嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉

 「さあ、リーゼロッテ様。できましたよ」
 「ありがとう」

 リーゼロッテは自分の髪型を確認しようと、頭をゆっくり左右に回転させて鏡を見る。顔の周りで編み上げにしたハーフアップで、結び目には髪飾りが付いていた。

 「なんだか今日はいつも以上に華やかね」
 「リーゼロッテ様の髪は本当に素敵で、結い甲斐がありますので」

 アイリスはにこにこしながら答える。

 「ふふっ、ありがとう。じゃあ、出掛けましょうか。お昼に商工会の会長と打合せする約束をしているから、その前に町の様子を見ておきたいわ」

 リーゼロッテはすっくと立ちあがると、アイリスと共に馬車に乗って出かけたのだった 。