(まさか……)
これから起ころうとしていることを想像して、リーゼロッテは表情をこわばらせた。
「旦那様、お止めください」
止めようとする声が震えてしまうのは、強い恐怖を感じているからだ。
そんなリーゼロッテの怯えを知ってか知らずか、テオドールは鼻で笑う。
「なぜ? 夫が妻を抱くのに、何の問題が? 全て、俺の意思に従うのだろう?」
「しかし、旦那様は先ほど『離縁したあとは後妻を娶ろう』と──」
「ああ、言ったさ」
テオドールはふっと笑う。
「お前に飽きたらな」
リーゼロッテは大きく目を見開く。
「嫌っ!」
とっさに逃げようとしたが、すぐにベッドの上に押し戻された。乱暴に着ていたドレスを引き裂かれ、ボタンがはじけ飛ぶ。



